小さな写真部屋

写真・カメラとのお付き合い

余談:モジュラーシンセサイザー

余談ですが…その後シュナイダーズ・ビューローではオーダーが入るようになりました。店内で試用したりシュナイダーさんのアドバイスを聞いたりシンセサイザーや音楽について雑談するお客さんも増えてきました。そのうち、ヨーロッパでは有名なシンセサイザーショップとして知名度が高くなりました。

シュナイダーさんは質の高いシンセサイザーや機材を自己開発・デザインするエンジニアたちと親しくなり、ごく小さいけれどユニークな自活性市場を作ってしまいました。

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サンフランシスコ 2018-01-21 Fujifilm X100 | f/5.6 | 1/100sec. | ISO 400

 モジュラーシンセサイザーはこの10年間ほどの間に規模は小さいけれど成長率が高い音楽楽器セクターになっています。特にアナログは大人気でMOOGや日本のKORGなど著名なブランドもアナログシンセ路線を追うようになったほどです。

アナログレコードのリヴァイヴァル、根強く人気を再燃しつつある(?)フィルム写真、カセットテープの発掘、アナログモジュラーシンセサイザーの独り歩き…なんだか共通しているところがありますね。

機材とのふれあい(その1)

しばらく前に「Totally Wired」という動画を見ました。ベルリンにあるシンセサイザー電子音楽に使われる機材を売るお店、Schneider's Buero(シュナイダーズ・ビューロー)についてのドキュメンタリー映画(2009年)です。

パソコンで音楽制作ソフトを使って作曲、アレンジ、レコーディング、さらにはライブDJが出来てしかも物理的な機材に比べて格安のコストなので、短期間でそれが主流になりました。アンドレアス・シュナイダーさんはそのトレンドに逆らって物理的機材専門のお店を開いたのです。

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サンフランシスコ 2018-01-01 Ricoh GR2 | f/2.8 | 1/2500sec. | ISO 100 | in-camera effect: Cross Process

テクノやアンビアントのプロデューサーを始め、効果音や映画のサウンドトラック、果音響系インスタレーションアートの芸術家などもパソコンによる制作をしていたのですが、その多くのプロたちは何か物足りないものを感じていたそうです。

それは機材とのふれあいでした。

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サンフランシスコ 2018-01-01 Ricoh GR2 | f/2.8 | 1/100sec. | ISO 100 | in-camera effect: Cross Process

彼らはキーボードとマウスを使ってパソコン画面のボタンやノブやスライダーを操作するよりも、自分の手で機材に触れ、自分の指で操作する方がより自然で、創造性をかきたてられることに気づいたのでした。

この時代に活躍しているアーティストたちはソフトウェアをタッチスクリーンで操作することももちろんあるでしょう。

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サンフランシスコ 2018-01-01 Ricoh GR2 | f/2.8 | 1/1000sec. | ISO 100 | in-camera effect: Cross Process

このドキュメンタリーの中である電子音楽アーティストの「僕は実際に手で触れることが出来るものが好きなんだ。そうすることで楽器や機材と自分とのつながりを持てる」という言葉が印象に残りました。

今の時代の写真・カメラもこれによく似ていると思います。

はじめまして

はじめまして。

写真・カメラは趣味のひとつとして楽しんでいます。よろしくお願いします。

  • 自分の目と頭はどんな色や光景や景色に惹かれるのだろう?
  • カメラを使ってどんな絵を撮りたいのだろう?
  • そういう絵を撮るにはどのカメラがいいんだろう?

最初はそんな事は全く考えませんでした。ファインダを覗いてシャッターを切る。それだけでした。主に記録や思い出が目的だったからでしょう。

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松島 2013-11-26 Ricoh GR | f/10.0 | 1/1600sec. | ISO 100

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松島 2013-11-26 Ricoh GR | f/10.0 | 1/1600sec. | ISO 100

自分が撮る絵を見栄え良くしようと意図し始めたのは旅がきっかけでした。ブログで旅の様子を表現するのに写真は必須だったからです。

2004年から2006年にかけて世界を回ったその旅で写真を撮ることが楽しくなってしまったのでした。それに加えて、ただの記録や思い出も「出来れば…きれいなで魅力ある絵の方が良い」とか考えたり。

写真・カメラとのお付き合いはこうして始まりました。

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松島 2013-11-26 Ricoh GR | f/10.0 | 1/1600sec. | ISO 100

今回ここに貼った3枚は2013年末のものです。それまでもいろいろなカメラを試してみましたが、この時点で使っていたのはRicoh GRとCanon EOS M3 ミラーレス。

自分にはコンパクトなカメラが合っていると自覚したのはその頃でした。

もっとも、そのような機材を持っていても「ファインダ(あるいはLCD EVF画面)を覗いてシャッターを切る」のは同じ。この3枚も含めて全てカメラ任せのAuto設定でしたけれど。

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