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SFベイエリア不動産売買騒動記(その2)

前のエントリーでサンノゼの自宅を売却したお話をさせていただきました。売ると決めて準備を始めてからわずか3週間後、土日にオープンハウスで自宅を公開してからたった3日後に買い値の倍で売れてしまった、という経過でした。

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サンノゼ 2017-12-24 iPhone X | f/1.8 | 1/60sec. | ISO 400

サンフランシスコ・ベイエリアは最先端IT産業が集結している地域で、「シリコンバレー」とも呼ばれることをご存知の方も多いと思います。2008年のいわゆるリーマン・ショックで僅かながら失速したとは言え、直ぐに勢いを取り戻し、その後数年はバブル状態でした。

当然の事ながらこの地域にはアメリカ全土のみならず世界各地から職を求めて移住して来る人たちがとても多いのです。その結果、慢性的な住宅難に陥り不動産バブルが発生しました。

極端な一例を挙げると、10年以上も前に半焼して放置され、アメリカの基準では狭い敷地をフェンスに囲まれた状態で朽ちていた家屋が90万ドル(日本円で1100万円)で買われたことがあります。通常、一戸建て物件は100万ドル(1億2千万円相当)では足りないでしょう。しかし、金が集まるシリコンバレーでは優秀な若い世代がキャッシュ払いで物件をさらってしまう事もままあるのです。

賃貸物件も日本では想像出来ないほどの家賃まで高騰し、現在サンフランシスコ市内のなんの変哲も無い、周囲の治安も補証されず、指定された駐車場があるか無いかも分からないようなアパートの家賃は平均約月5000ドル(日本円でおよそ50万円)あたりを推移しています。

いつかはマイホームを、と願う家族はべらぼうに高い家賃を払いながら最低でも40%の頭金を貯金しなければなりませんし、たとえ晴れて一城の主になったとしても毎月数10万円相当のローンを払う事になります。当然の事ながらこの地域では共稼ぎが普通です。

良質で立地条件が良い物件には当然の事のように多くの買い手が群がり、競り買いとなって無謀とも言える金額で買われるのが通常、アパートや借家も空くと同時にテナント候補が殺到し、数百万円相当の一年分の家賃を前払いする人も出てくる、という競争が激しい不動産市場です。

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サンノゼ 2017-12-24 iPhone X | f/1.8 | 1/30sec. | ISO 640

売った家には17件のオファーがあったため、それを見た時は競売状態になって売り値が跳ね上がるのを期待していました。でも、競売にはならなかったのです。なぜなら、提示した売り値の少なくとも20%を上乗せした金額を買い手側が提示してきたからです。受け入れたオファーは売り値の35%増しの値段を付けてきました。十分過ぎる値段と言わざるを得ません。

トップオファーを受け入れた後は書類処理に3週間ほどかかるので、実際に家の鍵を新しいオーナーに手渡したのはオープンハウスから1ヶ月ほど後でした。

売れた!いや、待てよ。住んでいた家を売ってしまったら次はどこに住むんだ?

次回は買い手に回ってからのお話をしましょう。

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